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千年一日珈琲焙煎所は茨城県つくば市にあります。自家焙煎の珈琲豆と喫茶、けん玉、本。ときどき展示、ライブ、フィーリングカップル。生活と街角の風景。

〒305-0005 つくば市天久保3-21-3 星谷ビルF・G(行き方)tel 029-875-5092
火・水曜定休 11:00-19:00(sun18:00)

年末年始のこと

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今年の営業は30日(日)まで。年始は4日(金)から始めます。
移転は2月に入ってからです。

 昨日は思いつきで住まいの台所を掃除しました。私がそうじに精をだしはじめると、おおつぼさんは「そうムキになるな」と言います。ものを壊しがちになるそうです。確かにムキになってしまうなあと、うちの母さんの掃除姿を思いだしました。親子という因縁はこんなところにあらわれる。髪も整えてきたので、今度は心のおそうじです。

インタビュー「今度のお店は何をするの?」

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インタビューが気に入ったらしく「もっとなにか質問ないの?」とおおつぼさん
 
 これまでとこれから(のお店)で変わらないものは?とおおつぼさんに尋ねたところから、私は地下へと引きずりこまれたようだ。暗い地中から「おおつぼしげと」の根っこをもとめ、モグラの嗅覚で掘りかえし、ようやく “たましいみたいなもの” とぶつかった。ふだん接するなかで漠然とその存在を感じることはあったけど、今回のもぐりでは、本人とともに「これは、おおつぼしげと の原型らしいね」と確認し合った。それが、ものとものとの出会いの話だった。おおつぼさんがお店をやるというとき、何かを選ぶ、参加するというときには、いつもその根底に “新しい出会いかた”という可能性や期待をみているのだろうと思う。移転についてのインタビューを続けます。

今度のお店では具体的には何をしようと考えていますか?

大坪「今度移転する予定の物件は築35年の古びたテナントです。10坪のテナントが5軒ひとつづきに並んでいます。現在はすべての店舗が閉じていていわゆるシャッター通り。僕はこのひとつ続きのテナントを一体として、街角の良い風景を作りたいなと考えています。そのために今仲間を募って準備を進めているところ。今の僕にとっては、仲間と一緒に何かをするということがとても大切なことなのです。」

千年一日はその場所で何をしますか?

大坪「とりあえず僕は2軒のテナントを借りて珈琲焙煎所と本屋をやります。焙煎所では豆の販売を中心に喫茶スペースは4席ぐらい、となりの本屋は、古本と新刊本そして音盤を扱うセレクトショップになります。本屋でもコーヒーを飲める場を作るつもりですが、あくまでも珈琲焙煎所と本屋です。決してブック・カフェじゃありません。」

以前、おおつぼさんは、店っていうのは街であり、文化的なメディアだと言っていました。仲間とつくろうとしている街角がどんなものになるのか。千年一日としては『脱カフェ』の意志がはっきりあるようです。そして本屋さんをはじめる。ほかにこれまでとどう変わるのか、障害者の働く場のことやせらくんのことを聞いていきます。

現在のお店をはじめた動機の一つとして、障害者の働く場をつくる、というのがあったと思います。その思いは変わってませんか?

大坪「そこは少しかわってきたような気がします。もちろん、今度のお店でも、せらくんに珈琲豆のハンドピックの仕事をつづけてもらいます。いずれせらくんがアパートを借りて一人暮らしをはじめられればいいなと思っています。でも障害者の働く場をつくろうという意識は以前ほど強くありません。それを目的にすることは考えていません。4年前に千年一日珈琲焙煎所をはじめるときには障害者の働く場づくりという動機が必要でした。それがなければ僕はこの一歩を踏み出すことはなかったと思う。でも今となってはそのことを大上段に構えるのではなくもっとあたりまえのこととして考えられるようになりました。」


<つづく>

隠しておきたい言葉

選挙おわりましたね。今回の選挙で雰囲気違うなと感じたことは「選挙行きました?」とお客さんやまわりの人に聞かれたことです。「選挙」という言葉のハードルが下がったような気がしました。「原発」も。

わたしの日常用語でハードルを感じるのは「政治」と「放射能」です。よそよそしい政治、重苦しい放射能。どちらも避けられない世界をすでに生きているのに、日常では口にするのを避けている。何気なくおなかの底へと押しやって。社会に塞がれた言葉は、体内で圧力になって存在しつづける。


都合が悪かろうが存在するものは存在する。うすうす気づきながらも隠しておきたいことを、自分の意識の前提に織りこんでいくことが、社会を変える とつながっているのかもしれない。

おおつぼインタビュー「ものとものとの出会い」

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「ものとものとの出会いの場をつくりたい。」というおおつぼさん。

ライブの翌朝、あかるい夢心地で起きた私は、昨晩興奮してなかなか寝付けなかったというおおつぼさんにたずねた。前回のインタビューでよくわからなかった「もの」の話から。

昨日のライブを観て、ものとものとの出会い、出来事が起きる、ということがどういうことか分かった気がする。どうして宮内さんのライブにtotoさんが共演することになったの?

大坪「宮内さんから今回は素描家の方とのコラボで出演したいという話をもらっていたんだけど、事情により直前でその話がキャンセルになって、もちろん宮内さんのワンマンをじっくり堪能するというのもありなんだけど、せっかくこの場所でやるのなら何かひと工夫がしたいということがあった。あと、まえからこの場所でtotoさんのパフォーマンスを観たいなという気持ちがあって、ただどういうかたちでそれを実現すれば良いのかなかなかはっきりとしたイメージがもてずにいた。」

で、今回組み合わせてみようと考えた?

大坪「いや、それは考えたと言うよりは、閃いたという感じ。もともと宮内さんとtotoさんの活動されている音楽のフィールドが別々なので、頭で考えたらこの組み合わせは出てこなかったと思う。でも先入観を抜きにお二人の音楽に向き合えば、そこに『似たもの』があるのがわかる。」

いっけん似てるとは言えないものどうしの『似たもの』?

大坪「似たものというのは、差異と同一性に基づくジャンルの思考からはこぼれ落ちる何か。同じなんだけど同じじゃない、ちがうんだけどちがわない、それが『似たもの』。このあいだ『ものとものとが出会う場』と僕言ったよね。別の言い方をすれば、『似たもの』を発見する作業なのかもしれない。ある意味この共演(似たもの)が閃いた瞬間にすでに出来事(イベント)が始まっていたんだ。」

いまは共演を聴いたあとだからかな、何となく分かる気がする。でもライブの前は『似たもの』って直感は私には分からなかった。たぶん言われても実感がないものは信じられなかったと思う。

大坪「今回のライブをやってみて、お店ってこういうことができる場なんだなあと思った。『このまえ「もの」ってたましいのことか?』って聞いたでしょ?じつは、どうしてわかったのかなって思ってた。僕のいう「もの」ってたましいみたいなもののこと言ってるの。」

<つづく>

宮内優里 ✕ toto

 宮内優里さんとtotoさんのコラボレーション、すごくよかった。想像できなかった。
1カケル1。化学反応。ぶわ と起こる瞬間に立ち会っていた。宮内さんが直感し引き出すものとtotoさんの直感から引き寄せられるものが、一同に出会って融解する。べつべつの場所で生きていた音がはじめて出会い、その瞬間、あたらしい居場所を見つけたかのような喜びがそこに満ちた。演奏している宮内さんとtotoさん自身もとても楽しそうだった。
ふと、私はとなりにいたおおつぼさんに聞いていた。

この前言ってた、ものとものとが出会う場っていうのは、たとえばこういうこと?
*この前
大坪「そうだね。」

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<インタビューは翌朝につづく>


ライブのお知らせ

windy 室内で聞いてても、野外で聞いているみたいな感じがする。totoさんの声はまさに風のようで、わたしは流れゆく雲にのって地球を巡り、おなかの底からぐーんと伸びて、大きなお母さんに触れようとする。

育てている酵母がぷち、ぷち、と泡立ちはじめたとき、生きてる、生きてるってうれしさに満たされる。見えない生命が躍動する瞬間のような宮内優里さんの音にtotoさんの詩が重なったらどんな感じになるんだろう。

8日、土曜の夜に二人のライブがあります。ごはんは、とん汁と豚味噌おにぎりを用意します。
ご予約の方は1001coffee@gmail.comまで。

移転インタビュー

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『夏の終わりごろから、千年一日珈琲焙煎所の店舗の移動を考えはじめています。(略)いろんな出会いがあったこの場所に感謝しながら、新しい空間づくりに取りかかろうと思います。』公式ブログより


 移転の決断にあたり、おおつぼさんが何を考えているのか知りたくてインタビューを試みました。

移転の理由はなんですか?
大坪「そもそもはテナント料の問題で考えはじめました。今となっては、いままでここでやってきたことよりも、もっと自分にしっくりとしたことができそうなイメージが見えてきた、ということが大きいかな。」

“もっと自分にしっくりとしたこと” というと?
大坪「いまよりシンプルなかたち。」

具体的には?
大坪「いくつかの意味でシンプルっていう言葉を使っているのだけれど、ひとつは「珈琲焙煎所」になるってこと。カフェ的なイメージの膜みたいなものが煩わしいと思っていて、それをなくして自分にとってよりリアリティのある場にしたい。」


おおつぼさんにとって、これまでと変わらないことは何ですか?
大坪「お店っていうのは単なる商売のための道具じゃないってことかな。」

それではおおつぼさんにとってお店とは何ですか?
大坪「店っていうのは街だっていうこと。文化的なメディアだということ。」

街としての店、メディアとしての店をやりたいと。メディアとしての店で何を発信したいのですか?
大坪「発信するということとはちょっと違う。ものとものとの出会いの場をつくりたい。そこでは出来事(イベント)が起きる。媒介としてのメディアになりたい。」

ここで言う「もの」っていうのは「人」に置き換えられますか?
大坪「ものはものだよ。人もものに含まれる。人も含めたすべての存在のことを「もの」って言ってる。ものは嘘をつかない、ものは黙ってじっとこっちを視てるんだよ。ものとものとが共にあること、それ自体が出来事なんだよ。」


おおつぼさんという人は不思議なひとです。話を掘り下げようとすれば、未知なるものが奥から奥から溶け出してくる。その未知は、私の耳から侵入し、質問自体を見失わせ、よりどころのない場所に私を連れていく。ほんとはもっと色んなことを話していたのだけれど、溶け出てきたもののうち、わたしが固形化できたのは今回ここまで。
<つづく>